私自身が製造業という「ものづくり」企業に在籍し、体を使った作る側も、生み出す側も経験してきました。 それらの経験の中で、BtoBを主に取引している企業と、BtoCを主に取引している企業とでは、モノをつくる過程や考え方に違いがあることを実感しました。
「伝えきれていない魅力」に、もったいなさと悩みを感じて

これは一個人ユーザーとして、また一女性として展示会等に行った時にも感じることですが、今までBtoBに向けて製造していた企業が新たな挑戦でBtoCに向けて商品作りを始めた場合、どうしてもプロダクトアウト的な思考になり技術や想いを見せたくなってしまいます。
しかし一般ユーザー目線で見ると実はそこはあまり関係がなかったりします。また、どうしても男性が多い職場となり、女性向けの商品の場合はちょっと的が外れていたりします。
せっかく展示会にも出展しているやる気のある製造業が、会社の優れた商品やサービスを上手く伝えられていない、魅せ方が上手くいっていないだけで本当はもっと素敵な商品になったり、話題の商品になったりするかもしれないと思うともったいない!と思ったのです。
「誰かにお願いしたいけど、どうしたらいいかわからない」という声

実際お話をすると、「デザインに悩んでいる」「できる人がいない」「とりあえず作ってみた」という社長や担当者様の悩みを多く聞く機会もあり、企画デザインの経験をそこでお手伝いできたら・・という想いからデザインルームM&Kは始まりました。
デザインで“育てる”という視点を持ちたい
私は「デザインの力で解決だ!」と押しつけることは好きではありません。
万人に受け入れられるデザインは無いからです。
でも、デザインは確かに“よりよく伝える”ための手段であり、悩みを整理し、見せ方を整えることで価値を高める力があります。
お客様と並走しながら新しい価値を生み出していきたいと考えています。
作って終わり、ではなく“使われるまで”を見届けるデザインへ

実際によくあるのが、「作って終わり」になってしまう商品です。
商品自体は完成していても、パッケージや販促物が後回しになっていたり、店舗に並ぶイメージが湧かないまま発売されたり。
その先の使われ方、並べられ方、届けられ方まで考えてこそ、本当の意味での「デザイン」だと私は思っています。
商品自体が完成していても、「パッケージがない」「どう見せていくかの設計がない」というケースは非常に多いです。
“売れる”には“伝える設計”が欠かせません。
だからこそ、企画から販売までの“流れ全体”を見据えたサポートを大切にしています。
デザインは単なる見た目ではなく、
- 売り場にどう並ぶのか
- 誰にどう手に取ってもらうのか
- 買った後どう使ってもらうのか
まで含めた、ビジネスの全体設計です。
そして実際に販売してみると予想外のことがおきます。それは以下のようなことです。
- 予想外の人に購入されていた
- 予想外の使われ方をしていた
このようなことに気付いた時に、すぐに対応をしていくことも必要です。
製造業が、自ら“企画・発信”する企業へ
製造業にとってはOEMやBtoBの方が収益性が高く、効率も良いと感じることは当然だと思います。
しかし、もし自社で商品をつくる機会があるなら、それを通じて企業の認知やブランディングにつなげることもできるはず。
そして今後は、BtoCでの成功からOEMへとつながる流れがますます増えると思っています。
製造業が“ブランド化”すると、何が変わるのか?
✅ 信頼が見た目で伝わる
「この会社だから安心できる」と思ってもらえる“第一印象”を整えることができます。
✅ BtoCの視点を知ることで、OEMの提案力も上がる
「BtoC的な経験」をすることで、消費者視点の価値観を取り入れたOEM提案が可能になります。
✅ 社員の誇りとモチベーションも上がる
理念や価値観をビジュアルに落とし込むことで、社内ブランディングにも効果的です。
最終的には、「納品するだけの製造業」ではなく、
企画・提案・ブランディングを自社で考え、発信できる製造業がこれからの時代には必要とされます。
デザインルームM&Kは、デザインを通じて、“想いを届ける力”と“選ばれる力”を育てるお手伝いをしています。
製造業の強みを、もっと自信を持って伝えていきましょう。